キリトル.

風景を

人を

モノを

切り取って

自分のモノにしたような気持ちになる

温度を

空気を

音を全部閉じ込めたような気もしてくる

こんなに沢山の風景も人もモノも温度も湿度も空気も

本当はいらないのにね。

だけどそれでも

忘れまいと

決して今感じていることを

オモウことを忘れまいと

5分と3分の四角いアナから覗き込んで

息を止めてシャッターをキル。

気持ちとか場所とか空気だとかいろんなモノをキリトル。

ソレ(そんなような行為)はまるで

「大丈夫」と言って鏡の前で笑ってみせた

憎しみや悲しみやどうにもできない感情を
無表情で手首に刻む

赤い線が残る 気持ちを“キリハナス”

ソレ(そんなような行為)にとても似てる

大丈夫だと笑うのも線を辿るのも

やっぱり一瞬、息を止める。

コレはわたしにとって必要なことだから

前に進むためには

笑っているためには

手段を変えてもやっぱりわたしは

息を止める

「暗い闇の中でヒトスジノヒカリを見つけるように」

「終わらないプレリュードの続きを見つけるみたいに」

大丈夫だと言って 赤い線を引いて シャッターを切って

息を止めて 吸って 吐いて また歩き出すのだよ。