海の無い街

海の無い街に来ている

あの人に逢いに。

わたしが住んでいる街より

もっと空気が澄んでて

慎ましくて

しんと凍っていて

気温が低くて

やさしい街。


イルミネーションを眺めて
一緒にご飯を食べて
一緒に眠って

当たり前みたいな幸せがこの街にはある

だから私は少し切なくなって
涙が出そうになって

だけどいつまでも笑ってた。


熱が少し出たけど
優しくて強い想いには勝てなくて
やっぱり笑ってた


二人で笑ってた