9.7

忘れていたことがある


あの暖かい大きな手も
やわらかい笑顔も
やさしい目線も
もうここには無いんだって


どうして忘れていたんかな
もう二度と手には入らないのに


忘れまいと必死に生きてきたのに
どうして今の今まで過去を振り返れなかったんかな


怖かったよ


まるで呪いに掛かっていたみたいで


過去にあの未来を選ばなければ
いまここに存在してないかもしれなくて
京都を選んだ道も決して一人で歩めたものじゃなくって
「自分で選んだ道を行け」なんてこと
言われなかったらきっとここまで歩いてこれなかった


思い出すことがなくなったのはいいことなのかもしれない
写真を持ち歩かなくなったのはいつからだっけ
まだ虹色のライターに縛られてる


また同じことを繰り返そうな自分がいて怖いよ
繰り返したくないから
私は生きなくちゃいけないし
周りを生かせなきゃいけない


もう二度とあんな思いをしたくないから。





物思いにふけってみた一週間後の9月14日。